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マレーシア・キャメロンハイランドの花

2006.12.5
スプレイギクの生産
 ★マレーシアからのスプレーキクの輸入が急増している。年間1億本を超したということである。日本の貿易統計によれば、2003年のマレーシアからの輸入量は3800万本、2004年は6900万本である。今年(2006年)は現地の生産者の話では、1億本を優に超しているという。

 ★価格についてはFOBで1本あたり20円程度らしく、C&Fで50円弱にはなるようであるから、日本での流通価格は60〜65円と見ればよいように思える。この価格だと、あきらかに、国産品より高価格で取引されていることになる。この実態は何であろうか。

 ★キャメロンハイランドのスプレイキク産地の立地条件は、気候条件のすばらしい点を除けば、耕地が山地に分布するために、傾斜地であったり、不整形地であったり、決して恵まれた生産環境にあるとはいえない。空港まで山道を4時間も下りなければならないアクセスの悪さもデメリットといえる。労賃が安いのはメリットと云えるかもしれないが、実はこの国も低賃金を求めて、農業労働者を海外に依存しているのである。バングラディシュ、インド、インドネシアなどの労働者が農作業をしており、マレーシア人の農業労働者はほとんどいない。マレーシア人の賃金は外国人労働者の3〜4倍にはなるそうだ。これを考えれば、低賃金は現在のことであって、かつ、マレーシアだけの特異性でもないのであって、将来においてもこのメリットが生き続けるということはあり得ないように思える。

 ★このような耕地環境でありながら、経営規模はきわめて大きい。上の写真の風景を見ていただければ分かると思うが、ハウス1室の規模は意外と大きい。経営面積が10haを超す農場はかなり存在する。生産性は比較的高いと見た方がよいのかもしれない。

 ★ただし、土地生産性については、年間3.2〜3.5作とのことで、回転率は高くない。長い草丈を確保することと、初期生育が遅いためか、長日処理期間をかなり長くしていることが回転率を下げている要因と思われる。施設の利用率(施設面積あたりの栽培床面積)もおそらく50%以下で、あまり高くない。一方、ほ場全体を施設で覆っていることを考えれば、ほ場敷地面積あたりは効率の良い生産ができている。ハウス構造などの違いを考えると、単純に我が国との比較はできないように思える。

 ★さて、品質はどうか。品質はかなり良いと云うべきであろう。何よりボリュウムがある。このボリュウムは、スプレイギクには不要なのではないか、もっとしなやかさが欲しいとの意見も聞くが、しかし、このボリュウム感は素晴らしいと私には思える。このあたりになると、品質とは何かとの原点の議論になりそうで、エンドユーザーはどちらの意見をとるだろうということにつきそうである。現在、マレーシアの方を選んでいると云うべきなのではなかろうか。 

生産風景
★以下に生産風景の写真を並べる。それぞれ異なった生産者、または、同じ生産者でも、異なったハウスでの風景である。生産規模の大きさが伺えると思う。
黄色の紙は捕虫用の粘着紙
出荷期に近い状態
パイプハウスでの栽培
出荷期の状態
電照打ち切り前の状態。
植え付け直後、電照中。
生育中期の状態
この労働者はバングラディシュ人
一輪菊。満開で出荷する。
パイプハウス出の栽培
出荷期の状態
出荷期の状態

育苗風景
★以下は育苗(挿し木)風景である。大きな生産者は、契約農家を配下に持ち、販売、輸出の斡旋もしており、苗の供給もしている。したがって、挿し木ほ場のスケールも大きい。品種はキリン、精興園が多いように思える。
採穂用の親株栽培。捕虫紙の数も多い。
挿し木繁殖中。セルトレーに挿し木する。
発根苗の抜き取り作業。セルトレーを運ぶのではなく、なぜかセルトレーから苗を抜き取り、、コンテナに詰め替えて移動、定植する。

栽培関連施設などの風景
★以下は栽培関連の風景の一部である
電照用電球は白熱灯も一部で使われるが、ほとんどは蛍光灯を使っている。蛍光灯は3種類ほどあるように思えたが、これは中国製の22W。
エルメコノズルを用いた散水中の風景。ほとんどの農場でエルメコノズルが使われている。しかし、散水むらはかなり大きいので、ホース灌水と畝間湛水潅漑を併用している。
日本産の鶏糞。すべてがこれを使っているわけではないが、有機質肥料はかなり使われている。しかし、堆肥などの粗大有機物の施用はほとんど行われていない。
収穫が終わった後はトラクターで耕耘され、バスアミドで土壌消毒する。
液肥灌水用タンク。かなり液肥が使われている。


出荷調整作業(クリック)