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韓国
(アジアの花事情)
(園芸文化・1998春号掲載の修正版)
お隣の国韓国は、最近はウオン安などの問題が出ているとはいえ、経済の発展した国で、花き園芸も活発だ。

 プサン(釜山)の高速道路からは、海のように広がるハウスが眺められるが、軒丈の高い立派なビニルハウスやガラス室は全て花を作っており、軒丈の低いハウスは野菜で、外観で区別できるところが面白い。ここは切り花類の産地で、バラを始め主要なものはほとんど作られている。 ちなみに、韓国では生産が最も多いのはバラで、次いで、キク、カーネーション、カスミソウ、ユリ、ガーベラの順となっている。バラではアーチング法によるロックウール栽培という最新の栽培技術で大規模に生産している農家もあり、品質もなかなかのものである。経営規模の大きな農家がかなり多く、概して、園芸施設は大規模で、最新の立派なものが多い。はたして採算が合うのだろうかと考えてしまうが、手厚い助成があるのだろう。韓国最南端の島、チェジュ(済州島)は温暖で、やはり大きな切り花や観葉植物の産地がある。

 ソウルの近郊には、鉢物類の産地がある。ラン類、観葉植物などの生産が多く、シクラメンなどの鉢花は比較的少ないのが特徴的であろうか。ここでは、鉢物という性質にもよるのだろうが、プサンで見られるような大規模で近代的な施設は少ない。そして遮光と保温を兼ねた分厚い被覆資材がかかっているハウスが多いので、輝くようなハウス風景ではない。寒い地帯なので、保温の努力をしているのであろう。しかし、ハウスの光線透過量が少なく、観葉植物類などは概して徒長気味の軟弱な品質のものになっている。ベンジャミンゴムなどは枝垂れ風に仕上がっており、むしろ軟弱な姿の故に面白いと思えるものもある。

 韓国では鉢物の生産が多く、花き全体の4割強を占めている。この比率から見ると、かなり成熟した花き園芸国になっているといえるだろう。実際に、鉢物を販売する園芸店は多いし、市場でも鉢物の動きは活発だ。しかし、鉢物の品質や生産状況を見るとまだ問題点は多い。新しい品種の導入が十分にされていない、特に鉢花の品質がよくない、ハウスでは地面に直接並べて栽培している、などなどである。とはいえ、アナナス類を始め、本格的な量産体制で近代的生産を行っている農家もあり、また、たいへん消費量の多い国でもあることも考えると、今後、さらに発展するように思える。

 ソウルの花市場は、私の見た3カ所ともかなり大きいものである。公設市場では機械ゼリも行っているが、全体としては仲卸店での相対売りが主で、市場内はいわば卸屋街となっている。商品も豊富にあり、一日歩いているだけでもなかなか楽しい。鉢物では、洋ラン、観葉植物が特に多いが、サボテン、東洋ラン、盆栽、観音竹などが目立つのは韓国らしい特徴であろうか。立派な鉢に植えた商品も多い。切り花ではバラが目立つ。市場内でフラーワーアレンジメントの制作をしているのは不思議に思えたが、これも商品として卸されているのであろう。色彩感覚の優れたなかなかの技術である。冠婚葬祭に用いる盛花は、韓国風では3段飾りとなり、豪華である。盛花の形は、国によってかなり違いがあり面白い。

 ところで、サボテンは韓国の特産物で、輸出品の花形である。円が安かった時代は、日本が世界中に輸出する大産地であったが、韓国にその地位を奪われて既に久しい。韓国の現状はさすが世界一というべきで、品種も栽培技術もたいへんに優れたものになっている。そして国立の園芸試験場でも品種改良や無病苗の育成に力を入れている。振り返って日本をみると、かって華やかな時代であったときでも、官公立の試験場で輸出用のサボテンの研究をしたところはなかった。日本の花き園芸はそのような扱いを受けてきた故に力強いところがあるのかもしれないが、一方でうらやましい感がしないでもない。

 いずれにしても、韓国は花き園芸が盛んであり、かなりの段階に達している。隣国であることやウオン安も背景に考えると、日本への供給産地としても伸びる要素を持っていると考えるべきであろう。 
釜山近郊の花き栽培施設群
釜山近郊の大規模なバラ栽培 アーチング法によるロックウール栽培が行われている
釜山近郊の大規模なカーネーション栽培 
釜山近郊の本格的な施設のよるキク栽培 秀芳の力が栽培されている。シ
ソウル近郊のアナナス専門の栽培
ソウルの花市場の風景
韓国国立園芸試験場でのサボテンの試験風景
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